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あとは本試験!
総択終了。

受験開始以来、直前模試では初の合格推定点を突破 (T T)

今更、初かよ、冷たい突っ込みをされそうだし、レギュラーシリーズの模試では、合格推定点を行ったり来たりしていた程度の実力なので、何の自慢にもなりはしないことは当然わかっているし、そうするつもりも毛頭ないけれども、自分の中でのささやかな自信にはしたいと思う。

本試験は、自分の実力からいって、ギリギリの、しかも厳しい勝負になると思う。

どんな問題が出ても、解けない問題は見切りをつけて、すぐに気持ちを切り替え、解ける問題を早く正確に解き、1点でも多く稼いでいかなくてはいけない。

時間が足りないと思っても、絶対に焦らず、パニックにならないように、落ち着いて、自分の実力を出し切ることだけに集中したい。

解き残しは、仕方がないと割り切って、解ける問題を1問たりとも落とさないようにしたい。

そして、難しいと思った問題が出ても、ひとつのきっかけで、簡単に解けることが多いので、そこを見逃さない集中力と洞察力を、本番の緊張状態でも、平常心で発揮できるようにしたい。

とにかく、ミスをなくしたい。

模試でよく「やっちまった」系のミスだけはしたくない。

そんなことで泣きたくない。

とにかく、自分の実力を出し切りたい。



本番まで、あと1週間。

過去問演習と基本のチェックを徹底して、やることはやった、という気持ちで、本番に臨みたい。
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by Wolfgang_A | 2005-04-30 12:17 | 司法試験
最高裁 平成17年04月26日 第三小法廷判決 - 民法 - 権利能力なき社団たる自治会からの退会
最高裁 平成17年04月26日 第三小法廷判決
平成16年(受)第1742号 自治会費等請求事件


要旨:
 権利能力のない社団である県営住宅の自治会の会員がいつでも当該自治会に対する一方的意思表示によりこれを退会することができるとされた事例


理由(抜粋):

被上告人〔県営住宅の自治会〕は,会員相互の親ぼくを図ること,快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること,会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立された権利能力のない社団であり,いわゆる強制加入団体でもなく,その規約において会員の退会を制限する規定を設けていないのであるから,被上告人の会員は,いつでも被上告人に対する一方的意思表示により被上告人を退会することができると解するのが相当であり,本件退会の申入れは有効であるというべきである。

被上告人の設立の趣旨,目的,団体としての性格等は,この結論を左右しない。
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by Wolfgang_A | 2005-04-26 22:33 |   判例 (司法試験)
最高裁 平成17年04月26日 第三小法廷判決 - 憲法 - 農業共済組合への当然加入制と憲法22条1項
最高裁 平成17年04月26日 第三小法廷判決
平成16年(行ツ)第178号 差押処分無効確認等請求事件


要旨:
 農業災害補償法(平成11年法律第69号による改正前のもの)が定める水稲等の耕作の業務を営む者と農業共済組合との間で農作物共済の共済関係が当然に成立するという仕組み(当然加入制)は憲法22条1項に違反しない


理由(抜粋):

 法が,水稲等の耕作の業務を営む者でその耕作面積が一定の規模以上のものは農業共済組合の組合員となり当該組合との間で農作物共済の共済関係が当然に成立するという仕組み(法15条1項,16条1項,19条,104条1項。以下「当然加入制」という。)を採用した趣旨は,国民の主食である米の生産を確保するとともに,水稲等の耕作をする自作農の経営を保護することを目的とし,この目的を実現するため,農家の相互扶助の精神を基礎として,災害による損失を相互に分担するという保険類似の手法を採用することとし,被災する可能性のある農家をなるべく多く加入させて危険の有効な分散を図るとともに,危険の高い者のみが加入するという事態を防止するため,原則として全国の米作農家を加入させたところにあると解される。

法が制定された昭和22年当時,食糧事情が著しくひっ迫していた一方で,農地改革に伴い多数の自作農が創設され,農業経営の安定が要請されていたところ,当然加入制は,もとより職業の遂行それ自体を禁止するものではなく,職業活動に付随して,その規模等に応じて一定の負担を課するという態様の規制であること,組合員が支払うべき共済掛金については,国庫がその一部を負担し,災害が発生した場合に支払われる共済金との均衡を欠くことのないように設計されていること,甚大な災害が生じた場合でも政府による再保険等により共済金の支払が確保されていることに照らすと,主食である米の生産者についての当然加入制は,米の安定供給米作農家の経営の保護という重要な公共の利益に資するものであって,その必要性合理性を有していたということができる。

 もっとも,その後,社会経済の状況の変化に伴い,米の供給が過剰となったことから生産調整が行われ,また,政府が米穀管理基本計画に基づいて生産者から米を買い上げることを定めていた食糧管理法は平成7年に廃止されるに至っている。

しかしながら,上告人が本件差押えに係る共済掛金等の支払義務を負った当時においても,米は依然として我が国の主食としての役割を果たし,重要な農作物としての地位を占めており,その生産過程は自然条件に左右されやすく,時には冷害等により広範囲にわたって甚大な被害が生じ,国民への供給不足を来すことがあり得ることには変わりがないこと,また,食糧管理法に代わり制定された主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成15年法律第103号による改正前のもの)は,主要食糧の需給及び価格の安定を図ることを目的として,米穀の生産者から消費者までの計画的な流通を確保するための措置等を講ずることを定めており,災害補償につき個々の生産者の自助にゆだねるべき状態に至っていたということはできないことを勘案すれば,米の生産者についての当然加入制はその必要性と合理性を失うに至っていたとまではいえないと解すべきである。

 このように,上記の当然加入制の採用は,公共の福祉に合致する目的のために必要かつ合理的な範囲にとどまる措置ということができ,立法府の政策的,技術的な裁量の範囲を逸脱するもので著しく不合理であることが明白であるとは認め難い。

したがって,上記の当然加入制を定める法の規定は,職業の自由を侵害するものとして憲法22条1項に違反するということはできない。

 以上は,当裁判所大法廷判決(最高裁昭和30年(オ)第478号同33年2月12日判決・民集12巻2号190頁最高裁昭和45年(あ)第23号同47年11月22日判決・刑集26巻9号586頁)の趣旨に徴して明らかである。


<メモ>
小売市場事件(最高裁昭和47年11月22日判決 憲法判例百選 I - 99事件)を引用していることからして、規制目的二分論によって、積極目的規制における審査基準として明白の原則を採用したものと思われる。

二分論は根強い、ということか。

立法事実論には配慮している。
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by Wolfgang_A | 2005-04-26 22:22 |   判例 (司法試験)
最高裁 平成17年04月21日 第二小法廷決定 - 刑法 - 不法残留罪の故意
最高裁 平成17年04月21日 第二小法廷決定
平成16年(あ)第1595号 出入国管理及び難民認定法違反被告事件


要旨:
 在留期間更新の申請をした後,在留期間が経過した外国人が,上記申請を不許可とする決定の通知が発出されたころ以降本邦に残留した行為につき,上記通知の到達の有無や在留期間の更新の申請が不許可となったことについての認識の有無を問わず,不法残留罪が成立するとされた事例


<メモ>
故意と違法性の意識に関する判例理論および責任説(故意の成立には犯罪事実の認識で足り、違法性の意識およびその可能性は不要)からは、妥当な判決となると思う。
制限責任説(違法性の意識の可能性が必要)、厳格故意説(違法性の意識が必要)からは、問題とされる可能性がある。

・・・と思ったが、この判決の論点は、もっと手前で、「犯罪事実の認識」の有無が問題とされているのかもしれない。

山口 p.168-70, 213-7
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by Wolfgang_A | 2005-04-26 11:43 |   判例 (司法試験)
コントロール
クラシックギタリスト鈴木大介さんのブログ記事より

今回は生まれて初めて「マスタークラス」というものにも挑戦です。

音楽について考える、ということももちろんなのですが、
そのようなレッスンは、ほかにたくさんのもっと優れた先生がいるでしょうし、
技術に関しても、若干のアドヴァイスはできるけど、
今はみなさんそれぞれたいへん高いレベルだと思うので、
そんなにお教えすることがあるとは思えないのですが、
そういう学生さんやアマチュアの人たちと、
唯一何がちがうかといえば、
それは自分をコントロールすることだと思います。
ことにギタリストは、ひとりで長時間練習しすぎているので、
本番で実力が発揮できないケースが多いような気がします。
本番での不測の事態は当たり前のこと、
それらをどういうふうにプラスに転換していくか
どうやってステージ上の自分のヴォルテージを最大に持っていくか
ということを、一緒に考えられたら楽しいと思います。


クラシック音楽の演奏と、司法試験の勉強には、かなり通じるものがあるような気がする。

楽譜、法律という、それぞれの、良くも悪くも、ある意味でのドグマ。

その解釈の範囲内での、最善のパフォーマンス。

日々の絶えざる孤独な練習に次ぐ練習。

演奏会、試験当日におけるメンタル面のコントロール。

しかし、クラシックのプロの演奏家を目指す方々のコンクール等での競争は、詳しい実際は知りませんが、テレビや本などで知る限り、司法試験がかわいく見えてしまうほど、熾烈で厳しいもののようですね・・・。

ともかく、自分は、自分の目標に向かって、がんばらなくては!!
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by Wolfgang_A | 2005-04-22 11:41
最高裁 平成17年04月21日 第一小法廷判決 - 憲法・民法- 証拠無断償却に対する国家賠償請求
証拠無断焼却: 被害者の賠償請求認めず、上告棄却 最高裁
(MSN-Mainichi)


最高裁 平成17年04月21日 第一小法廷判決
平成16年(受)第2030号 損害賠償請求事件


要旨:

犯罪の被害者は,証拠物を司法警察職員に対して任意提出した上,その所有権を放棄する旨の意思表示をした場合,当該証拠物の廃棄処分が単に適正を欠くというだけでは国家賠償法の規定に基づく損害賠償請求をすることができない


理由(抜粋):

本件証拠物の廃棄処分は,本件犯罪の発生時からわずか約6か月後のまだ捜査の継続中に,本件証拠物についての鑑定が終了したことのみを理由にされたものであり,適正な措置であったとはいい難い。

しかしながら,犯罪の捜査は,直接的には,国家及び社会の秩序維持という公益を図るために行われるものであって,犯罪の被害者の被侵害利益ないし損害の回復を目的とするものではなく,被害者が捜査によって受ける利益自体は,公益上の見地に立って行われる捜査によって反射的にもたらされる事実上の利益にすぎず,法律上保護される利益ではないというべきである(最高裁平成元年(オ)第825号同2年2月20日第三小法廷判決・裁判集民事159号161頁参照)から,犯罪の被害者は,証拠物を司法警察職員に対して任意提出した上,その所有権を放棄する旨の意思表示をした場合,当該証拠物の廃棄処分が単に適正を欠くというだけでは国家賠償法の規定に基づく損害賠償請求をすることができないと解すべきである。


裁判官泉德治の反対意見(抜粋):

犯罪の被害者がその所有に係る証拠物について有する利益は,被害者が捜査機関の捜査によって受ける利益とは別個のものである。

犯罪の被害者は,個人の尊厳が重んじられ,その尊厳にふさわしい処遇を保障される人格的権利を有するものであって,刑事手続における告訴権も,人格的権利の一部をなすものということができる。

被害者がその所有に係る証拠物を捜査機関に提出するのは,犯人の検挙・処罰に役立てることを目的とするものであって,告訴権の行使の一内容,あるいは告訴権に類似する人格的権利の行使ということができ,当該証拠物が捜査機関において捜査のために有効に活用され,捜査上必要である限り適正に保管されることの利益は,単に所有権の一部を構成するにとどまらず,上記の人格的権利に由来し,法的に保護された利益というべきである。

そして,被害者がその所有に係る証拠物を捜査機関に提出する際,所有権放棄書に署名押印しても,それは,当該証拠物が捜査及び公訴の遂行上で必要性がなくなった場合に,その返還を求めないということを意味するにとどまり,当該証拠物が捜査機関において有効に活用され,適正に保管されることの利益まで放棄することを意味するものではない。

したがって,捜査機関が正当な理由なく当該証拠物を廃棄すれば,被害者の法的に保護された利益を侵害するものとして,国家賠償法の規定に基づく損害賠償請求の対象となるといわなければならない。



<メモ>

多数意見に賛同し難い。
反対意見の方に説得力を感じる。

しかし、最高裁判決である以上、実務に絶大な影響を及ぼし、実務家、受験生はそれに従わなければならない。

不当な結論を回避するには、最高裁判決の規範に従いながらも、その適正な解釈によって妥当な結論を得られるように、工夫していかなければならない。

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by Wolfgang_A | 2005-04-21 17:53 |   判例 (司法試験)
最高裁 平成17年04月21日 第一小法廷判決 - 民法 - 遺族年金と内縁の妻
遺族年金:内縁の妻に受給権認める判決 最高裁 (MSN-Mainichi)

最高裁 平成17年04月21日 第一小法廷判決
平成16年(行ヒ)第332号 遺族共済年金不支給処分取消請求事件


要旨:

私立学校教職員共済法に基づく私立学校教職員共済制度の加入者で同法に基づく退職共済年金の受給権者の男が重婚的内縁関係にあった場合に,遺族共済年金の支給を受けるべき配偶者に当たるのは内縁の妻であるとした事例


理由:

①Aと参加人は,Aが勤務していた国立大学の宿舎で同居していたが,昭和53年ないし55年ころからAが宿舎を出て別居して生活するようになり,Aが死亡した平成13年1月12日まで20年以上の長期にわたり別居を続けた,

②その間,両者の間には反復,継続的な交渉はなく,Aが宿舎料を負担していたほかは一方が他方の生活費を負担することもなかった,

③Aと参加人は,両者の婚姻関係を修復しようとする努力はせず,昭和57年夏ころ以降は会うこともなかった,

④Aは,参加人に対し,平成元年12月22日,1000万円を送金したが,これには,Aの勤務していた国立大学の宿舎から円満に転居してもらう費用を支払う趣旨のほか,Aと参加人との間の婚姻関係を清算するための金員を支払う趣旨も含まれていた,

⑤他方,被上告人は,Aが参加人と別居するようになった後にAと親密な関係になり,昭和59年ころからAと同居して夫婦同然の生活をするようになって,Aの収入により生計を維持していた,

⑥Aが死亡した際も,被上告人が最期までその看護をした,というのである。

このような事実関係の下では,Aと参加人の婚姻関係は実体を失って修復の余地がないまでに形がい化していたものというべきであり,他方,被上告人は,Aとの間で婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者というべきであるから,参加人は私立学校教職員共済法25条において準用する国家公務員共済組合法2条1項3号所定の遺族として遺族共済年金の支給を受けるべき「配偶者」に当たらず,被上告人がこれに当たる・・・(以下省略)
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by Wolfgang_A | 2005-04-21 17:39 |   判例 (司法試験)
最高裁 平成17年04月19日 第三小法廷判決 - 刑訴 - 検察庁内における検察官による接見拒否
接見訴訟: 「設備なくても被疑者と面会を」最高裁が初判断 (MSN-Mainichi)

最高裁 平成17年04月19日 第三小法廷判決
平成12年(受)第243号、平成17年(オ)第251号
国家賠償請求上告,同附帯上告事件



要旨:

1 弁護人から検察庁の庁舎内に居る被疑者との接見の申出を受けた検察官が同庁舎内に接見の場所が存在しないことを理由として接見の申出を拒否することができる場合

2 検察官が検察庁の庁舎内に接見の場所が存在しないことを理由として同庁舎内に居る被疑者との接見の申出を拒否したにもかかわらず,弁護人が同庁舎内における即時の接見を求め,即時に接見をする必要性が認められる場合における検察官が執るべき措置


理由:

(1) 被疑者が,検察官による取調べのため,その勾留場所から検察庁に押送され,その庁舎内に滞在している間に弁護人等から接見の申出があった場合には,検察官が現に被疑者を取調べ中である場合や,間近い時に上記取調べ等をする確実な予定があって,弁護人等の申出に沿った接見を認めたのでは,上記取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合など,捜査に顕著な支障が生ずる場合には,検察官が上記の申出に直ちに応じなかったとしても,これを違法ということはできない(最高裁平成5年(オ)第1189号同11年3月24日大法廷判決・民集53巻3号514頁参照)。

 しかしながら,検察庁の庁舎内に被疑者が滞在している場合であっても,弁護人等から接見の申出があった時点で,検察官による取調べが開始されるまでに相当の時間があるとき,又は当日の取調べが既に終了しており,勾留場所等へ押送されるまでに相当の時間があるときなど,これに応じても捜査に顕著な支障が生ずるおそれがない場合には,本来,検察官は,上記の申出に応ずべきものである。

もっとも,被疑者と弁護人等との接見には,被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの制約があるから,検察庁の庁舎内において,弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても,被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ,戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には,上記の申出を拒否したとしても,これを違法ということはできない。

そして,上記の設備のある部屋等とは,接見室等の接見のための専用の設備がある部屋に限られるものではないが,その本来の用途,設備内容等からみて,接見の申出を受けた検察官が,その部屋等を接見のためにも用い得ることを容易に想到することができ,また,その部屋等を接見のために用いても,被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの問題が生じないことを容易に判断し得るような部屋等でなければならないものというべきである。


 上記の見地に立って,本件をみるに,前記の事実関係によれば,広島地検の庁舎内には接見のための設備を備えた部屋は無いこと,及び庁舎内の同行室は,本来,警察署の留置場から取調べのために広島地検に押送されてくる被疑者を留置するために設けられた施設であって,その場所で弁護人等と被疑者との接見が行われることが予定されている施設ではなく,その設備面からみても,被上告人からの申出を受けたB検事が,その時点で,その部屋等を接見のために用い得ることを容易に想到することができ,また,その部屋等を接見のために用いても,被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの問題が生じないことを容易に判断し得るような部屋等であるとはいえないことが明らかである。

 したがって,広島地検の庁舎内には,弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても,被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ,戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等は存在しないものというべきであるから,B検事がそのことを理由に被上告人からの接見の申出を拒否したとしても,これを直ちに違法ということはできない。

(2) しかしながら,上記のとおり,刑訴法39条所定の接見を認める余地がなく,その拒否が違法でないとしても,同条の趣旨が,接見交通権の行使と被疑者の取調べ等の捜査の必要との合理的な調整を図ろうとするものであること(前記大法廷判決参照)にかんがみると,検察官が上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず,弁護人等がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め,即時に接見をする必要性が認められる場合には,検察官は,例えば立会人の居る部屋での短時間の「接見」などのように,いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の「接見」(以下,便宜「面会接見」という。)であってもよいかどうかという点につき,弁護人等の意向を確かめ,弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは,面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務があると解するのが相当である。

そうすると,検察官が現に被疑者を取調べ中である場合や,間近い時に取調べをする確実な予定があって弁護人等の申出に沿った接見を認めたのでは取調べが予定どおり開始できなくなるおそれがある場合など,捜査に顕著な支障が生ずる場合は格別,そのような場合ではないのに,検察官が,上記のような即時に接見をする必要性の認められる接見の申出に対し,上記のような特別の配慮をすることを怠り,何らの措置を執らなかったときは,検察官の当該不作為は違法になると解すべきである。


 (3) これを本件接見の拒否(1)についてみるに,前記の事実関係によれば,

①被上告人は,担当のB検事に対し,平成4年3月5日午後2時20分ころ,本件執務室に電話をして本件被疑者との接見の申出をし,同検事から,広島地検の庁舎内には接見のための設備が無いことを理由に接見を拒否されるや,直ちに広島地検に出向き,同日午後2時35分ころ,本件執務室において,直接,同検事に対して接見の申出をしたが,同様の理由により拒否されたこと,

②その際,被上告人は,C事務官に対し,取調べまで時間があるはずなので今すぐに会わせてほしい旨,及び接見の場所は本件被疑者が現在待機中の部屋でもよいし,本件執務室でもよい,戒護の面で問題があるなら,裁判所の勾留質問室を借りてそこで会わせてほしい旨の申入れをしたが,B検事は,この申入れに対し,何らの配慮をせず,回答もしなかったこと,

③本件被疑者は代用監獄である可部警察署の留置場において勾留されていたが,弁護人に選任された被上告人からの準抗告に基づき,前同日,勾留場所が少年鑑別所に変更されたこと,被上告人は,本件被疑者に対し,できる限り早くそのことを伝えて元気づけようと考え,接見を急いでいたこと,

④B検事が本件被疑者の取調べを開始したのは,同日午後3時15分ころであって,被上告人が広島地検庁舎内でした接見申出の時から約40分ほどの時間があり,ごく短時間の接見であれば,これを認めても捜査に顕著な支障が生ずるおそれがあったとまではいえないこと等が明らかである。

 以上の諸点に照らすと,被上告人の上記接見の申出には即時に接見をする必要性があるものというべきであり,その際,被上告人が,接見の場所は本件被疑者が現在待機中の部屋(同行室のことと思われる。)でもよいし,本件執務室でもよいから,すぐに会わせてほしい旨の申出をしているのに,B検事が,立会人の居る部屋でのごく短時間の面会接見であっても差し支えないかどうかなどの点についての被上告人の意向を確かめることをせず,上記申出に対して何らの配慮もしなかったことは,違法というべきである。

 (4) 次に,本件接見の拒否(2)についてみるに,前記の事実関係によれば,

①本件被疑者は,平成4年3月16日,第1被疑事件については処分保留のまま釈放されたが,同日,第2被疑事件で再逮捕されたこと,

②被上告人は翌17日午前に本件被疑者と可部警察署において約6分間程度の接見をしたが,本件被疑者はその時点で被疑事実を否認しており,被上告人としては,再度黙秘権について教示する必要があると考え,また,いまだ第2被疑事件についての弁護人選任届を本件被疑者から受領していないことから,翌18日午前10時5分ころ,広島地検に赴き,本件被疑者との接見の申出をしたが,B検事は,前記と同様の理由により拒否したこと,

③被上告人は,これに納得せず,本件被疑者から弁護人選任届を受領していないことから接見の必要があるなどと主張して再度の接見の申出をし,さらに,同日午前10時50分ころには,他の弁護士と共に本件執務室を訪れ,B検事に対し,本件被疑者との即時の接見を申し出たが,同検事は,これらの申出に対し,何らの配慮をせず,前記と同様の理由により拒否したこと,

④B検事が本件被疑者から弁解の聴取を開始したのは,被上告人が広島地検の庁舎内において最初の接見の申出をした時点から約1時間40分後であり,また,上記弁解の聴取が終了した時点から本件被疑者が広島地裁に押送されるまでには4時間近くの時間があり,その間,本件被疑者は広島地検の庁舎内において待機していたのであるから,短時間の接見であれば,これを認めても捜査に顕著な支障が生ずるおそれがあったとは到底いえないこと等が明らかである。

 以上の諸点に照らすと,被上告人の上記接見の申出には即時に接見をする必要性があるものというべきであり,その際,被上告人が,本件被疑者から弁護人選任届を受領していないことから接見の必要があるなどと主張して即時の接見の申出をしているのに,B検事が,立会人の居る部屋での短時間の面会接見であっても差し支えないかどうかなどの点についての被上告人の意向を確かめることをせず,上記申出に対して何らの配慮もしなかったことは,違法というべきである。

 (5) 以上のとおり,B検事が,被上告人の上記各接見の申出に対し,面会接見に関する配慮義務を怠ったことは違法というべきであるが,本件接見の拒否(1),(2)は,それ自体直ちに違法とはいえない上,これらの接見の申出がされた平成4年当時,検察庁の庁舎内における接見の申出に対し,検察官が,その庁舎内に,弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても,被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ,戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しないことを理由に拒否することができるかという点については,参考となる裁判例や学説は乏しく,もとより,前記説示したような見解が検察官の職務行為の基準として確立されていたものではなかったこと,かえって,前記の事実関係によれば,広島地検では,接見のための専用の設備の無い検察庁の庁舎内においては弁護人等と被疑者との接見はできないとの立場を採っており,そのことを第1審強化方策広島地方協議会等において説明してきていること等に照らすと,B検事が上記の配慮義務を怠ったことには,当時の状況の下において,無理からぬ面があることを否定することはできず,結局,同検事に過失があったとまではいえないというべきである。
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by Wolfgang_A | 2005-04-20 11:33 |   判例 (司法試験)
一応
フジテレビ、ライブドアと和解。会見する(左から)亀渕ニッポン放送社長、堀江ライブドア社長、日枝フジテレビ会長=18日、東京都港区
フジテレビとライブドア、和解で基本合意 (NIKKEI NET)


和解で決着、ということで。

ソフトバンクが割り込んできたあと、自分の試験勉強が佳境にはいってきた、というのもあるけど、この件についての興味は、正直、急激に薄れていきました。

でも、それまでは、散々、記事にしてきて、お世話になっていたので、一応、最後のシメ、ということで、記事にしておきます。

まぁ、これでよかったんじゃない?
ほりえもんもフジも。



●ライブドア vs フジテレビ 関連リンク集

フジテレビvsライブドア (NIKKEI NET)

ニッポン放送株問題 (asahi.com)

ホリエモンが行く (MSN-Mainichi)

ライブドア VS フジテレビ (YOL)

ライブドア (Sankei Web)
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by Wolfgang_A | 2005-04-18 21:59 | ライブドア vs フジテレビ
辰已 総択 第1回
合格推定点に1点、届かず。

最近、不調が続いていた憲法が復調したのが光明だが、民法に跳ね返される。

1点の差が、大きな差、ライン未満は問答無用で全員敗者という厳しい世界。

結果自体は気にしすぎるべきではない、とはいえ、やはり、非常に残念。

今回の模試で間違えた分野の復習の徹底、テクニック面でのミスなどの敗因分析は、当然、これまでと同じように、実行する。

本試験まで、過去問演習と基本書・判例の復習を徹底する。

3科目のバランスを崩さない。

最後まであきらめない。

まだ、少しの時間が残されている。

自分を信じる。


次の、マイルストーンは29日(金・祝)、総択、第2回。

模試は模試、とは言え、合格推定点を突破して、気持ちよく、本試験を迎えたい。
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by Wolfgang_A | 2005-04-18 13:17 | 司法試験
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