●おとり捜査に3条件、大麻事件で(12日)
最高裁第1小法廷(泉徳治裁判長)は14日までに、大麻取引をめぐり、おとり捜査の適法性が争われた刑事裁判で、「犯罪を行う意思があると疑われる者が対象の場合など一定の条件の下でおとり捜査をすることは許容され、刑事訴訟法197条1項が認める任意捜査に当たる」として、おとり捜査が認められる3条件を初めて示した。
その上で00年3月2日に大阪市内のホテルで大麻樹脂を所持したとして、大麻取締法違反の罪に問われたイラン人被告(36)の上告を棄却する決定をした。懲役6年、罰金100万円が確定する。決定は12日付。
53年の最高裁決定が既におとり捜査を適法とし、捜査実務もこの判断に基づいて行われているが、犯意を誘発するやり方は違法とする学説があることから、最高裁が見解を示したとみられる。
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Web司法ジャーナル2004年07月20日号)
最決平成16年07月12日
おとり捜査(捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が,その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働き掛け,相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙するもの)が、刑訴法197条1項に基づく任意捜査として許容されるための3要件。
①直接の被害者がいない薬物犯罪等の捜査において
②通常の捜査方法のみでは当該犯罪の摘発が困難である場合に
③機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象に
すること。
要するに、
①被害者が出ない
②摘発困難
③嫌疑者
ということでいいのかな。
来年の判例セレクトと重判に載るでしょう。