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最判H.16.11.05 <ヤマギシ会脱退者訴訟> - 民法 - 公序良俗違反と不当利得返還請求
最高裁平成16年11月05日第二小法廷判決
(平成14年(オ)第808号 損害賠償請求事件)

 「無所有」を実践している団体に加入するに当たり全財産を出えんした者が,同団体から脱退したことにより,出えんした財産のうち返還を肯認するのが合理的かつ相当と認められる範囲で不当利得返還請求権を有するとされた事例


財産の一部返還命令が確定 ヤマギシ会脱退者訴訟 (asahi.com)
 農業を基盤とする思想実践団体「幸福会ヤマギシ会」(本部・東京都新宿区)を脱退した女性(56)が「参加時に提供した財産を戻してもらえない」として関連団体に約2億8000万円の支払いを求めた訴訟の上告審判決が5日、最高裁第二小法廷(滝井繁男裁判長)であった。同小法廷は返還請求権を認める一方、請求できる額は限られると判断。1億円の支払いを命じた二審・東京高裁判決の結論を支持し、「少なすぎる」という女性の上告を棄却した。二審判決が確定した。
 同会をめぐっては、ほかに4件(原告計16人)の同種訴訟が係争中で、最高裁判決は初めて。
 判決によると、女性は子どもの非行などに悩み、89年に集団生活に参加した。会の仕組みを理解したうえで「一切の財産を出資する」「返還請求はしない」との契約を結び、預金通帳や不動産の権利証などを渡した。その後、会に疑問を持ち、94年に脱退した。
 判決は「財産の提供は終生、会で生活することが前提で、脱退によって契約は効力を失う」と指摘。不当利得として提供財産の返還を求めることができるとした。一方、額については会で与えられた生活費など、さまざまな事情に照らして考えねばならないと述べた。
 一審・東京地裁は約2億4000万円の支払いを命じたが、二審は減額したため、女性が上告していた。女性は「返還請求権を認めたことは評価できる。ほかの脱退者の交渉に良い影響が出ることを期待する」と話した。同会側は「現時点では判決を詳しく検討していないのでコメントを控える」としている。
(11/05 20:33) (朝日新聞)


・内田Ⅰ p.273-280
・四宮=能見 『民法総則』 p.271-282 (特に p.275 「(b) 暴利行為」、p.279 「(3) 公序良俗違反の判定時期」など参照)
・内田Ⅲ p.550-561
・双書 (7) p.51-60
by wolfgang_a | 2004-11-07 11:29 |   判例 (司法試験)
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