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最決H.16.10.19 - 刑法 - 因果関係
最決H.16.10.19
 高速道路上に自車及び他人が運転する自動車を停止させた過失行為と自車が走り去った後に前記自動車に後続車が追突して生じた死傷事故との間に因果関係があるとされた事例
(最高裁HP 判決要旨より引用、太字筆者)




停止させた車に後続車追突、止めさせた男も有罪 最高裁 (asahi.com)
 ほかの車の運転ぶりに腹を立てて停車させたが、自分が走り去った後、停車させた車に後続車が追突して死傷事故が起きた――。こんなケースをめぐり、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は19日付で、車を止めさせた自動車販売業、榊山博之被告(33)の業務上過失致死傷罪の成立を認めて上告を棄却する決定をした。懲役4年6カ月の実刑とした一、二審判決が確定する。
 一、二審判決によると、茨城県つくば市内の常磐自動車道で、02年1月12日早朝、乗用車を運転していた榊山被告が、近くを走っていたトレーラーを「態度が悪い」と執拗(しつよう)に追跡し、前方に割り込むなどした。トレーラーは追い越し車線で停車し、被告は運転手を引きずり出して暴行。その後、被告は自分の車で走り去ったが、7~8分後に追突事故が起きて4人が死亡、1人が大けがをした。
 決定は「車を停止させた行為は重大な危険性を有していた」と指摘。運転手がしばらくトレーラーを動かさなかったことも「暴行などに誘発された」と結論付けた。
 トレーラーの運転手(52)も業務上過失致死傷罪で懲役2年8カ月の実刑が確定している。
(10/22 13:27) (朝日新聞)

過失行為によって、結果的加重犯たる結果が発生した場合に、第三者の過失行為が介入しても、相当因果関係が認められた事例、と見てよいのかな…?

山口 p.61 によると、第三者の過失行為の介入の場合は、第三者の故意行為の介入の場合よりもいっそう、相当因果関係が容易に肯定され得る、とあるから、特に目新しい判決ではないのかも…?

前田説的に言っても、①実行行為に存する結果発生の確率は大きく(未明の高速道路、しかも追い越し車線で停車するなんて!)、②介在事情の異常性は小さく(トレーラー運転手がボコボコにされた状態でキーを見つけられなかったのは無理もなく、それは故意ではなく、過失に過ぎない)、③介在事情の結果への寄与は、どちらかと言えば小さい(大きいとも思えるが、被告人の一連の行動に比べれば…)、ってことで、やっぱり相当因果関係は肯定すべき、ってとこかいな。

前田 総論 p.172-195
山口 総論 p.44-70

判決文出ました (Gak さん)
交通事故における因果関係(判例) (verdure さん)
by wolfgang_a | 2004-10-23 21:33 |   判例 (司法試験)
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