先程、TBS ブロードキャスターに堀江が生出演していたのを見た。
途中で偶然、気づいたので、最初のほう、おそらく半分くらいは見逃した。
後半では、堀江は、福留や久保ジュンのすっとろい質問に、イライラしながらも丁寧に回答、というか、「解説」してあげていた。
フジテレビの対抗策は折込済みだ、という、ハッタリだか、自信だか、よくわからないものがあふれていた。
確かに、仮に(ビミョーだが)フジテレビがニッポン放送の株25%を取得した場合、相互保有株式による議決権の規制がかかり、「堀江」ニッポン放送はフジテレビに影響を及ぼすことが出来なくなる。
しかし、(私が見ていなかった番組の前半で、堀江が既に直接言及した
のかもしれないが)フジテレビがニッポン放送の株を25%以上取得できたとしても、堀江には対抗策がある。
それは、堀江がニッポン放送株の過半数を握った後に、その「堀江」ニッポン放送がフジテレビの株を買い増すことである。
現在ニッポン放送が所有しているフジテレビ株は22.5%であるが、あと2.5%買い増して25%にすれば、これまた相互保有株式規制で、今度は逆にフジテレビがニッポン放送に対して議決権を行使できなくなる。
この買い増しは、実現可能性が高い。
フジテレビは東証1部に上場しており、株の流動性が高いからである。
そうすると、「堀江」ニッポン放送はオールフリーだ。
取締役・監査役の総入れ替えはできるし、ライブドアと合併させることだってできる。
まあ、ともかく、それはおいといて、何より重要なのは、ニッポン放送の新株を自由に発行することができるようになることである。
新株を発行して、それをライブドアが引き受けると何が起こるか。
そう、フジテレビのニッポン放送に対する持ち株「割合」が自動的に減り、25%を切ってしまうのである。
ここまでくると、もはやフジテレビはニッポン放送の株を改めて買い増すことは不可能である。
なぜなら、それを持っているのはライブドアであって、この時点で今さらフジテレビに売り渡すわけがないからである。
そうすると、「堀江」ニッポン放送のフジテレビに対する議決権が復活する。
すなわち、堀江がフジテレビに影響力を持てるのである。
まさに堀江の必勝態勢だ。
フジテレビにさらなる防衛策はないのか。
ニッポン放送株を、どんな大金をはたいても、50%超まで買うのが、最も手っ取り早いのだが、おそらくそんな金は今のフジテレビには調達できない。
ニッポン放送(およびその傘下のポニーキャニオン、横浜ベイスターズ)は、もはやどうにもならないところにきている。
残るは、本丸フジテレビの死守のみとなる。
金を使わないものとして、ひとつあげるとすれば、それは「現時点での早急な」フジテレビ自身の増資だろう。
フジテレビが自身の新株を発行し、グループ企業か取引先にひたすら頭を下げて新株を引き受けてもらい、大幅な第三者割当増資に成功すれば、堀江が上記の策をとってきた場合でも、「堀江」ニッポン放送のフジテレビに対する影響力を大幅に弱めることができる。
ただし、実はこれも、「現時点での早急な」が条件であり、堀江に対抗され得る。
もし、「堀江」ニッポン放送がこれよりも先に、上記の策をとったうえで、フジテレビの株を33.3%超取得すれば(22.5%からプラス10.8%)、フジテレビの増資に対する拒否権を発動できてしまうからである。
今後の動向はそこらあたりがカギになるかもしれない。
しかし、どう転んでも、堀江には、少なくとも、ニッポン放送(およびポニーキャニオン、横浜ベイスターズ) (or 株式転売による大金)が、既に確約されたも同然だ。
ここまでは、見事なギャンブルである。
ただ、もちろん、堀江は、その後のシナジー経営の成否でこそ、その真価を問われることになる。
それに成功しなければ、今回調達の800億円もの社債の返済に失敗し、経営権を剥奪され得るのだから。
PS.
13日(日)テレ朝「サンデープロジェクト」によると、リーマン・ブラザーズが融通したライブドアの転換社債が全て株式に転換された場合でも、リーマン・ブラザーズが取得するのは、ライブドアの議決権の27%程度だという。
堀江、万が一、失敗しても、絶対安泰とまでは言えないけど、即、経営権を剥奪されるわけではないようだ。
この男、したたか。
PSのPS
横浜ベイスターズは、TBSが筆頭株主なので、堀江の影響力は限定的なものにとどまる。