ライフログ
最判H.16.11.18 <パートナー解消訴訟>- 民法 - 婚姻外関係の不当破棄
最高裁平成16年11月18日 第一小法廷判決
平成15年(受)第1943号 損害賠償請求事件

 婚姻外の男女の関係を一方的に解消したことにつき不法行為責任が否定された事例




 
 
結婚しないパートナー関係、一方的破棄でも慰謝料認めず
(asahi.com)

 子供はもうけたが、互いに束縛しないよう法律上の結婚はせず、住まいも生計も別にして好きなときに行き来する――。こんな関係にあった男女の片方が一方的に別れを告げた場合、もう一方は慰謝料を請求できるかが争われた訴訟の上告審判決が18日あった。最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は「婚姻やこれに準じるもの(内縁)と同じように法的に保護する必要は認められない」と指摘。一方の意思で関係が解消されたとしても当事者に法的義務は発生しない、との初判断を示した。
 当事者の男女は自分たちの関係について「パートナーシップ」などと呼び、新たな男女関係のあり方としてマスコミでも紹介されていた。結婚観が多様化する中で、最高裁の法的な判断は注目される。
 原告は大学教員の女性(47)、被告は会社員の男性(49)。一、二審判決によると、2人は85年以来、合意の上で「パートナーシップ」の関係を続けてきた。互いの家の合鍵を持ちあうことはなく、共有する財産もなかった。男性の希望で2子をもうけ、嫡出子とするために一時的に婚姻届を出したが、すぐに解消。養育責任はすべて男性側がもつことになっていた。
 その後、男性は知り合った別の女性との結婚を考えるようになり、01年に関係解消を通告したため、女性は慰謝料を求めて提訴。一審は「関係の継続は強制できない」と請求を棄却したが、二審は「女性は関係継続の期待を裏切られた」として100万円の賠償を命じ、男性側が上告していた。
 上告審判決で同小法廷は、2人は共同生活をしたことが全くない▽2人は意図的に婚姻を回避している▽双方がこうした関係を将来にわたって続けることまで合意していた形跡はない――などと指摘。「一方的に関係を解消されたことで不満を抱くことは理解できるが、それをもって慰謝料請求権が発生する不法行為とは評価できない」と認定し、二審判決を破棄して女性側の請求を退けた。
(11/18 17:37) (朝日新聞)


パートナー解消訴訟: 解消は賠償義務無し 最高裁が初判断
(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

 同居せず互いに独立して生計を立てる「パートナー関係」を約16年にわたり結んできた男女の一方が関係解消を求めた場合、損害賠償義務が生じるかどうかが争われた訴訟の判決が18日、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)であった。判決は「相互間に『関係を解消してはならない』という合意がない以上、関係存続を求める法的権利はなく、賠償請求権はない」と初判断。関係解消を図った会社員男性(49)に100万円の支払いを命じた東京高裁判決(昨年8月)を破棄し、大学教授の女性(47)の請求棄却を言い渡した。男性側の勝訴が確定した。

 夫婦別姓など夫婦関係が多様化するなかで示された判決は、今後論議を呼びそうだ。

 判決などによると、男女は結婚直前の86年3月に婚約を解消し、知人に「スープの冷めないくらいの近距離に住み、特別の他人として親交を深める」とする書面を郵送した。以来、住居は別々で共有財産を持たない関係を続け、2回の出産の際だけ子供のために結婚してはすぐに離婚して、育児は男性側が担当した。しかし男性が01年、別の女性と結婚するため関係を解消したため、女性が500万円の慰謝料を求めていた。

 判決は「女性は2人の子供の養育に一切かかわりをもっておらず、両者は意図的に婚姻を回避してきた」と述べた。そのうえで「男性が一方的に関係を解消したことで女性が不満を抱くことは理解できるが、(法的に)関係存続の保障を認める余地はない」と結論づけた。

 東京地裁は02年12月、「永続的な関係とは言えない」と女性の請求を棄却したが、東京高裁は「関係継続への期待を裏切った」と男性に100万円の支払いを命じた。【小林直】

 ▽原告女性の話 旧来型の内縁の夫婦だけでなく、お互いの職業上の理由から別居し、婚姻届を出さない事実婚を選ぶ夫婦は増えている。今回は子供までいるのに法的保護を与えないと判断しており、憤りを感じる。今後さまざまな媒体を通じて問題点を指摘していく。

 ◇個別的検討が必要

 早稲田大学大学院法務研究科の棚村政行教授(民法・家族法)の話

 最近増えている新しい男女関係に関する初判断で影響は大きい。同居せず、自立し、家計も別々な割り切った男女関係の一方的な解消について、単なる恋愛関係と同じく法的保護の必要性はないと切り捨てる判断と言える。しかし、男女関係の多様化が進む中、保護される生活利益や経済的利益を不当に害されたかどうかを個別的に検討すべきではないか。今回のケースでは、精神的なつながりや16年も関係が続いた特別な点などを、より考慮する余地があると思う。

(毎日新聞 2004年11月18日 11時38分)


パートナー解消訴訟: 解説 新視点「契約の有無」
(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

 男女のパートナー関係を巡る18日の最高裁判決は、2人が互いに束縛し合わない間柄だったことを「関係存続に関する合意(契約)がなかった」と判断して、関係解消における賠償義務を否定した。従来の男女関係を巡る訴訟では、正式な婚姻関係に近ければ賠償義務を認め、そうでなければ退ける司法判断が多く、専門家から「(夫婦か否かという)身分関係に重点を置き過ぎている」との批判があった。今回の判決はこうした視点を持ち出さず、男女関係を一種の「契約」と位置づけており、新しい関係に新しい視点で応えたものと言えるだろう。

 婚姻届は出していないが、婚姻の実態がある「内縁関係」を巡っては、大審院が1915年1月、「正当な理由無く破棄すれば賠償請求の対象となる」とする判断を示し、戦後も最高裁が「結婚に準じた関係(準婚関係)」と位置づけて同様の判断を示してきた。

 内縁関係にあるかどうかは▽共同生活の有無▽家計の同一性▽子供の共同養育--などの要素を総合的に考慮して判断される。しかし、今回のケースはどの要素も満たさず、内縁関係には当たらないため、判断が注目された。

 今回の判決は準婚関係という従来の議論については「(準婚関係と)同様の保障を認める余地はない」と言及しただけにとどめ、2人の関係を詳細に検討したうえで、それが「関係存続の契約」と言えるかどうか、という視点から結論を導いた。外見上は今回と同じでも、2人の仲が永続的に続くことを約束(契約)していれば、逆の結論になることも予想され、どんな場合でもパートナー関係の解消は自由--と受け止めるのは早計だろう。【小林直】

(毎日新聞 2004年11月18日 12時04分)



<参考文献など>
内田Ⅳ p.55-64 「婚姻の成立」「実質的要件」
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by wolfgang_a | 2004-11-18 21:57 |   判例 (司法試験)
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